昭和50年代には、安全でおいしい水とは何かをテーマに水道水質基準が検討され、厚生省(現厚生労働省)は「おいしい水研究会」を発足させました。
「ミネラル、硬度、炭酸ガス、酸素を適度に備えた冷たい水」と言われています。不純物をまったく含まない水(純粋な水)は、飲んでも決しておいしい水とは言えません。
適当な物質が適度に溶けていることがおいしい水の要件なのです。
厚生省の「おいしい水研究会」で作成したおいしい水の条件項目です。
水道水の水質基準に比べ、かなり厳しい基準が設定されています。
(注)厚生省「おいしい水研究会」(昭和60年4月24日)による
ミネラル | カルシウム、ナトリウム、カリウム、鉄など水中に溶けている鉱物質の総量で、水の味にコクとまろやかさを出します。1リットル中に30~200mgを含んでいる水がよいとされます。 |
硬度 | カルシウム、マグネシウムの量によって計られます。これらの成分が多いと硬水とよばれ味がきつく、低いと軟水とよばれ、コクのない水となります。1リットル中30mg~50mgを含んでいるのが好まれます。 |
炭酸ガス(遊離炭酸) | 湧き水や地下水などに多く含まれ、水に新鮮でさわやかな味を与えます。 |
酸素 | 水に清涼感を与えます。酸素がまったくない水は、味が悪くなります。 |
水温 | おいしい水には水温も大切な要素となります。水温は10~15度が飲むのに快適な温度と言われます。 |
日本の地層は水に溶けにくくミネラルの少ない火山岩が多く、なおかつ傾斜が急なため、地下水は数年から数十年という短いサイクルで流れます。そのため、ミネラルがそれほど多くない「軟水」となります。
一方、ヨーロッパ大陸などの地層は水に溶けやすくミネラルの多い石灰石が多く、なおかつ地形がなだらかなため水が何百年~何千年という周期で流れます。
そのため、ミネラル分の多い「硬水」となるのです。ということで、日本の地下水は、軟水が多いようです。